質屋と組合について
我々質屋の起源は鎌倉時代といわれています。そしてその長い700年余の歴史の中で庶民金融として質屋は社会の中で機能し役割を果たし、また、現代においても、社会の中で必要な歯車として、お客様のニーズの基に日々営業し、ご利用いただいています。
質屋は、いわゆる貸金業とは、一線を画すものがあります。営業許可的にも全く違い、営業を行うには、質屋は質屋営業許可が必要となりますが、貸金業は登録制であります。法律では質屋は質屋営業法、貸金業は貸金業法とまったく異なる法律です。
当組合の歴史は1930年、昭和5年に「東京質屋組合」が設立され、1949年、昭和24年に「東京質屋協同組合」としてスタートし現在に至っています。我々質屋は質屋営業をすることはもちろんのことですが、我々の大切な役割として、「盗難品などの流通防止」の役割があり、その遂行のため組合は組織として、また、組合員一人ひとりが、犯罪抑止、防止に努めております。防犯協力は、我々質屋の大きな責務でもあり目標であります。さらに地域の中では「安心安全な街づくり」に積極的に協力しており、また、質屋はその鑑定力を生かして偽造品等の流通の防止の役割も担っています。また、今急激に増加しているリサイクル店・買取店は、古物営業許可を必要とし、古物営業法で規制されています。
つまり、「質屋」と「貸金業」と「リサイクル店・買取店」は異なる許可、営業法からなっています。これは意外に知られてなく特に質屋とリサイクル店と同じと勘違いされていることが多いようです。
リサイクル店は「買取と販売のみ」、質屋は「物をお預かりしてお金をご用立てします」、また、質屋の場合は質屋許可と古物許可の二つを持っている場合が多く、「質と買取」とさらに「販売のお店」を持つ場合も多くあります。また、東京の質屋はお客様のお預かりしたものを大切に保管する厳しい基準の「蔵」を持つことが大きな条件で特徴です。
今我々組合、組合員は、お客様、消費者のニーズをしっかりつかみ、庶民金融としての役割を大切にし、将来に向かって社会の中の必要な歯車としての質屋となるべく日々努力しています。
平成24年5月1日
東京質屋協同組合理事長 菊池 章二